「誠意ってなんでしょう!?」
もう随分昔に終了しましたが、フジテレビに『北の国から』という番組がありました。倉本聰脚本、さだまさしのテーマソングでも有名な番組であるので覚えている方も多いことでしょう。この番組の「北の国から '92 巣立ち」編で配役の菅原文太が田中邦衛に対して 「誠意って、何かね?」と寡黙に問う場面があります。非常に名場面であり、印象に強く残っているので今でも時々思い出すシーンです。
ところで、東日本大震災・原発震災では、東電、政府、自治体すべての責任ある当事者が、「誠意をもって対処します」という言葉を簡単に吐いています。ちなみに、東電勝俣会長は「・・・深くお詫びし、”誠意”をもって補償・・・」と会見し、国会では自民党大島理森副総裁が菅首相に対して「・・・あなたには真心も”誠意”もない・・・」と詰め寄り、マスコミはとにかく「・・・”誠意”をもって当たるべき・・・」というコメンテータの言葉が氾濫、とにかく「誠意モード」とも言うべき状況が日本全体を覆っています。
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しかし、「誠意」とは一体なんでしょうか?
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ちなみに英語で「誠意」にあたる言葉を探すと「sincerity(シンシアリ
ティ)」という表現が一般的らしいですが、あるサイトではこの言葉の語義とし
て「an honest way of behaving that shows that you really mean what you
say or do(言っていることややっていることが、本当に自分の意図しているこ
とを示している、実直な行動のやり方)」という解説をしています。ちょっと
ニュアンスが微妙に違う気もしますが・・・。
また、あるプロ野球選手は契約更改時に「誠意は言葉ではなく金額」という名セリフ(?)を吐いて話題になりましたが、先ほどの東電会見も「補償(お
金)」を誠意としているのでしょうか。また、被災者からも「補償(お金)」の
要求は喫緊、切実な問題であり、非常にわかりやすいし、現実的には尤もだと思いますが、本当に「誠意とはお金」なのでしょうか。
私は、「お金(補償)」はあくまでも「責任」の範疇ではないか、”誠意”とは
お金ではなく、やはり人の行動(言葉を含む)にこそ表れるのではないか、と思います。
私の”誠意”の解釈では、震災・原発に対する政府・東電の姿勢は到底”誠意”などと言えるものではありません!特に福島の子供たちへの対応は”悪意”と言っても言い過ぎでないくらい酷いものです。
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このように原発・震災に限らず世間一般を見渡すと、「とにかくカネで解決す
る」風潮が蔓延しているように思えます。
政治家や企業経営者のみでなく、日本人全体が今一度「誠意ある態度、生き
方」というものを考えるべき時ではないでしょうか。
とはいえ、やはり難しい言葉です!!