リサイクルの現場のもう一つの現実
時々リサイクル業を営む友人の手伝いをしています。
これまで、客観的な 立場からリサイクル業界を眺め、また仕事柄調査分析なども行って来ましたが、直接現場サイ ドに立ったのは初めての経験です。
やはり現場に立たないと見えないものがいろいろあることに気づかされました。
友人のやっていることは非常に小規模です が、だからこそリサイクル業界の現場の”本性”も見えて来るものがあります。
こ このところ、引き取り先が現代の社会を反映していることを実感しました。
特徴ある二つの引き 取り先に気づきました。
一つは「実家の片付け」という側面です。親が 亡くなった、或いは介護状態になった、子どもたちは別のところで生活を営んで いる、ということから、「親が住んでいた家屋(実家)の家財を処分してく れ」、というニーズです。
もう一つは、これは結構悲惨なケースですが、家賃滞納、或いは住宅ローン未払いによる強制執行による家財の片付けです。
両方の ケースとも、委託先は殆どが大手のよく名前を知る不動産業者(○○リバブル、▲▲リハウス)で、 いくつかの仲介業者を経て友人のような小規模業者が直接現場へ足を運びます。
そこで目にした 両ケースに共通していることは、”昨日まで生活していた状態”からの整理です。
「電気がまにはまだご飯が残っている」、「冷蔵庫には食品がそのまま」、 「家族の写真やアルバムがそのまま」、「洗濯物がそのまま」・・・・。
と にかくそこでつい今まで生活していた人の息遣いが感じられる場所から家財道具 を引き上げ処分する行為には何とも言えない”現代の不条理”を感じてしまいました。
も ちろんビジネスですから、そんな感傷にふけっていては商売にならないので淡々 と作業を行いますが、いろいろと考えさせる問題ではあります。
※先月の8月23日号の「週刊東洋経済」が「実家の片付け」という特集をやって いましたが、やはり共通な思いがあるようです。
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http://store.toyokeizai.net/magazine/toyo/20140818/
<一般社団法人日本低炭素都市研究協会会報「低炭素ニュース&レポート9月20日号」より転載>