雨の季節

また雨の季節がやって来ましたね。

  • 「雨は嫌われもの」というのが世間の相場ですが、そのせいでもないでしょうが、昔話に「雨蛙不孝(あまがえるふこう)」という話しがあります。

要約すると、

『昔とてつもなく臍(へそ)まがりの童があって、お父が山へ柴刈りに行けと言えば川へ雑魚とりに行くし、川へ行けと言えば山へ行くという具合で、何でも反対ばかりしていた。そのうち父は年をとって、こんなあまのじゃくな童を残してにたくないと泣きながら、死んだら山へ埋めてもらいたいが、わざと反対のことをする童だからと、「川へ埋めてくれ」と言って死んだ。

それまで父の言うことをてんで耳に入れなかった童も、父の死にあってはじめて自分の臍まがりを後悔して、今度は言うことを聞いてやろう、父の思わくも知らず言いつけ通り川の縁に墓を作った。

すると雨の降る夜に川の水が増して墓が流れそうになるので気が気でなく、

「父っァ墓コ流れる」と叫んで歩くという。

その童は死んで蛙に生まれ変わったが、思いやりのない者だと閻魔様が臍をむしり取ったのだという。』(日本昔話辞典)

ちょっと悲しい話でもありますね。

ちなみに、韓国語でも「雨蛙」(チョンケグリ)は、「あまのじゃく」という意味があるようです!

しかし、「晴天」ばかりを望むのではなく、少し「歩」を緩めて、

「雨」を眺めながら一時を過ごすのも、たまにはいいのでは・・・。

そうすれば、最高の「あめあがり」が体験できるかもしれません。(2008.6)