【人生の色つれづれなるままに~】

亡くなった歌手の島倉千代子さんの唄に「人生いろいろ」という歌謡曲がありました。島倉さんにしては、結構コミカルな歌だと思ったのですが、カラオケ名好きな方には結構歌われる唄のようです。そういえば、小泉純一郎氏が総理の頃の野党の質問に対して「人生いろいろ、会社もいろいろ、社員もいろいろ」などと答弁、話題をさらったこともありました。さて、今回はこの歌の話ではなく、「人生”色々”」というお話です。「人生には色がある」と言えば、「バラ色の人生」「俺の人生真っ暗」などという言葉を真っ先に思い浮かべるでしょう。色彩心理という学問領域もあるようで、「色」は人間の感情そして人生と結構深い関係にあるようです。中国の古い思想に陰陽五行思想がありますが、この陰陽五行説によれば、季節と色を組み合わせているのですが、「青」と「春」、「朱(赤)」と「夏」、「白」と「秋」、「玄(黒)」と「冬」、すなわち、「青春(せいしゅん)、朱夏(しゅか)、白秋(はくしゅう)、玄冬(げんとう)」と人間の人生(年代)をおおよそ分ける熟語にもなります。文字通り、10代から20代にかけての「青春(せいしゅん)」、そして人生の中でも心身ともに充実して熱く夏のように燃える30代の「朱夏(しゅか)」、頭に白いものも混じるようになるとともにどこか寂しげな40代から50代が「白秋(はくしゅう)」、そして円熟とともに人生を知りつくしそして閉じようとする幽玄な年代の「玄冬(げんとう)」。単純ですが、結構わかりやすいたとえと私には思えます。詩人の北原白秋もこの陰陽五行からペンネームを採ったといわれていますが、定かではありませんが、白秋の詩風からすれば納得できる気もしますね。この区分けから行けば、私は微妙ながら、まだまだ人生に多少の希望と惑いがあるのでなかなか円熟或いは幽玄の境地には達していませんが、白秋から玄冬へ移り変わっているときでしょうか!?気持ち的には、いつも「青春」なんですがね(笑)。炭焼きもこの流れでたとえることがちょっとできそうな気がしています。竹炭を例にとると、「”青”竹が”赤”い炎に包まれ”白”い煙を出しながら”黒”い炭になる」というところでしょうか。ついでに陰陽五行と炭の間にもなんとなく関連付けできそうです。陰陽五行の五行とは、「木・火・土・金・水」のことですが、炭はもともとは「木」であり、これを燃やすと「火」(炭)と「土」(灰)になります。この炭が茶の湯で使われると茶窯「金」で湯「水」ができる、という流れにも例えられますね。ちょっと面白い言葉遊びですが、もしかしたら茶の湯で炭を使うということはこういうことかもしれませんね。茶の湯に詳しい方がいらっしゃったらぜひ教えて欲しいところです。取り留めのない話になりましたが、季節はまたそろそろ春が巡ってきます。私たちも体は老いつつありますが、季節にならってまた青い芽吹きのような新たな気持ちで春を迎えたいものです。

DAIGOエコロジー村通信2019年3月号より