天網恢恢・・・と隠蔽工作

またまた東電が”説明”を一転した。例の「海水注入」問題である。

前回の”説明”のスケープゴート斑目原子力保安委員長だったが、今回は福島第一原発所長の吉田昌郎所長だ。

(ちなみに斑目氏には同情の余地はない)

東電本社武藤栄副社長は、「吉田所長の処分を検討している」という。

「おいおい、開いた口が塞がらない」、とはこういうことを言うのではないか。

結論から言えば、海水注入は継続されていたと思われる。

想像ではあるが、1号機水蒸気爆発直後、たぶんこのようなやり取りがあったのではないか、と思う。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

吉田「最悪です。海水注入しか選択の余地はありません」

本社「何をいう。海水注入などもってのほか!廃炉にするつもりか!?だめだ!」

吉田「それは現場をみていないからです!とにかく最悪の状況です」

本社「だめだ!断じてそれは許さない!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

しかし、吉田所長は最終的に「海水注入」を指示実行した。

多分彼自身、逡巡したと思う。

すなわち、「組織論理か、技術者倫理か、」という間での苦悩は想像に難くない。

最後は、彼の技術者としての矜持が「海水注入」を行わせた・・・。

吉田所長自身の言葉であるが、「本社は何もわからない。現場が一番知っている」と。

それはそうだろう。片や絶えず危機を意識しながらの現場と、片や現場の緊張感もなく日夜銀座で、官僚、御用学者、あるときは御用芸能人などと飲食に耽っている本社。

我々はこの間、「東電」という言葉の響きから無意識に「東電は全社一体」と思っているが、実は、このように東電社員の中も矛盾に満ちているのだ。

どこにでもある話である・・。

起きていることの本質がつかめず、「廃炉」という目先の利益喪失に恐れをなした東電本社。

本当に隠したいことはこのことではないか!

これが真相ではないか!!

 

とにかく、総理大臣を筆頭に、原子力保安委員長、東電経営者・・・・普通であれば、ある意味尊敬される存在であるはずが、斯様な状態だ。

そこに共通している意識は、「責任逃れ」「独りよがり」「低俗なプライド」「卑怯な姿勢」

・・・・・・彼らを形容する言葉には枚挙がない。

いくら国民が”無知”であれ、ここまでバレバレのお笑い劇場を見せられると、全てが見えてしまう。

 

「天網恢恢疎にして漏らさず!」とはこういうことをいうのであろう!

 

ただし最後に一言。

このような状況でも”動かない”国民であれば、もう最悪である。

天はどこまでわれわれを試すつもりなのだろうか!