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協同組合考

「協同組合思想」というものは、基本的に「防 衛(防御)の思想」とも言えます。そもそも協同組合発祥の先駆けであるイギリ スのロッチデール先駆者協同組合も、その背景は、産業革命に端を発する経済発 展に伴う負の部分、すなわち労働者の生活の悪化状況があります。競争原理によ る優勝劣敗ではなく、「協同」して「生活を守る」という意図から生まれた協同 組合の考えは、イギリスから瞬く間にフランス、ドイツ、イタリアと拡大してい きました。

日本にこの協同組合の考えが入って来たのは、明治維新から日本資本主義が 「富国強兵」「殖産興業」を掲げた時期ですが、まだ民主主義という思想そのも のが根付いていない我が国においては、協同組合の経済技術的側面が重視され、 本来の「(人民を)守る」という根本理念が置き去りにされてきた経緯がありま す。大正期、また戦後にかけては、「労働者の権利拡大」という社会主義思想の 流入とも相まって、どちらかと言えば協同組合本来の目的に沿った運営もなされ てきましたが、近年の経済発展は、協同組合をなし崩し的に競争原理の中に叩き 込み、「利益優先」の組合運営を強いられているという現状があります。

このように、「協同組合」には本質的な課題(理念か利潤か)があるのは事実 ですが、資本主義的システムの諸矛盾が顕在化し、個人の、生活だけでなく人生 の破綻までが現実的に増加して来ている今、もう一度協同組合の理念に立ち戻 り、新しい経済的価値の創造を目指す方法論としての「協同組合」を見直す必要 があると思われます。

ちなみに、資源循環型ビジネスに協同組合方式は非常に親和 性が高い方法論ではないかと思っています。