『スーパープレゼンテーション』

東京都知事選に対しては少し意識がのめりこんでいたことと、また大雪も重なっ たせいかその結果に何とも言えぬいやな疲れを感じていました。そのような心理 状態からどうしたら抜け出せるかと考えながらたまたま見ていたテレビが、米国 のサラ・ケイという若い詩人がしゃべる番組(NHKスーパープレゼンテーショ ン)でした。

この番組は、いろいろな方が自らの考えを聴衆の前でトーク(プレ ゼン)する語学教番組だそうですが、「さすがに西洋人はしゃべりが旨い な、、」などとどうでも良い評価を下しながら見ていましたが、彼女が、 『これまでに集めてきた知識と経験 すべてをまとめて 未知のことへ飛び込む糧 にするのです』とトークしていた時に、あることにふと思いがいきました。

東京都知事選は16名の方が立候補しましたが、マスコミやネットに登場するのは 有力候補であり、いわゆる泡沫候補(非常に失礼な表現だといつも思うのです が)にはほとんどの方が多分目もくれないでしょう。私も選挙中最初からまった く思考は彼らにはいきませんでした。

そのような彼らの中に、鹿児島の指宿から 立候補した松山親憲氏がいました。

候補者の肩書には「年齢72歳、無所属新、警 備会社アルバイト」とあります。

「えっ、警備会社アルバイト!」と、いつもは したり顔で民主主義などについて独りよがりの理論を振り回す私自身の無意識な 職業差別にも気付いたのですが、「それにしても!」と興味を抱いたので、彼の 動画をネットで探し回ったところ、ありました!

サラ・ケイと比較するにはあま りにシュール過ぎるスーパープレゼンテーションでしたが、松山氏の思いがすべ て伝わってきました。

「言説政治」と言われて久しいですがそれに比して言葉の 軽さだけが目立つようになっている中で、「言葉をしゃべる」という意味を少し 考えてしまいました。

そして、サラ・ケイの言葉が松山親憲氏にダブってきました。

『私は自分だけが語れることを語ろうと 努めています このストーリーのように』

選挙も個人の思いをもっと積極的に語る場であるべきではないか!などと思った 次第です。

少し選挙の疲れが癒されたような気がしました。

 

時間があれば下記の動画サイトを比べてみると面白いです。

 

サラ・ケイ http://digitalcast.jp/v/11645/

松山親憲  http://www.youtube.com/watch?v=dhSLR79ux1s

 

 

※「低炭素都市ニュース&レポート2月10日号」送付状より転載