経団連政治献金議論浮上 もう一つの独占

政治権力の”一方的”独占がその国の国民にとってもっとも「安全」への必然的脅威となるのは歴史が証明している。

”一方的”独占は必ず権力乱用につながる。この”一方的”独占には二つのタイプがある。

一つはヒットラーナチズムスターリン主義のような「公然の独占」でありもう一つが「軍産複合体」のように政治と経済の権力操作による「隠然の独占」である。

さて、昨日経団連政治献金についての議論を再開するというニュースがあった。

「政治と経済は本当に手をつないで、二人三脚で手を携えて、新しい日本をつくっていく。そういう時期だと申し上げた」(経団連・榊原会長)そうだ。

現在の「軍産複合体」は単純な直接的兵器産業ではなく、部品から或いは食料品、衣服等に至るまでその幅は広くなっている。従業員に「兵器産業」の意識は無くとも、結果的に兵器に貢献している企業は相当ある。ちなみに日本の電機メーカー(家電含む)は立派な兵器産業であり、売り上げの主要を占めており、防衛関連予算への彼らの血眼の営業合戦は現場を知るものなら言わずもがなであろう。特に経団連に属する企業が戦争特需を期待していることは明白である。

このような背景から堂々と「政治と経済が手をつないで云々」という言葉が出てくるのであろうが、これこそ「隠然の独占」を示す明確な証拠でなくてなんであろう。哲学者・久野収はこのような「隠然の独占」から生まれるのもが「格子なき牢獄国家」(昭和40年憲法読本)と喝破したがまさに今の日本がそうではないか。「公然の独占」がもたらすファシズムはある意味目に見えて来るものがあり、それに対する闘い方も知られているが、もう一方の「隠然の独占」に対する闘い方は残念ながら構築されていない。

今回の経団連会長の発言はこれまでの「政治とカネ」という一般論ではなくそのコンテキストにはまさに戦争経済へひた走る日本経済を牛耳る独占資本の本音が図らずも漏れたと思われる。

今国民は安倍晋三一味の政治権力だけでなく日本独占資本の巣窟でもある経団連を代表とする経済権力とも闘わなければ文字通り「格子なき牢獄」へ自ら入ることを厭わなくなるだろう!