日本人の気質

内田樹さんの「日本辺境論」(新潮社)を読みました。

日本人気質をユニークな観点から分析しています。

その中で、水戸黄門に対する日本人の反応を記述した部分がありますが、非常に面白い分析になっています。

・・・・「光圀自身が印籠を取り出して『控えい』と怒鳴っても、たぶんあまり

効果がない」のであって、助さん格さんがやってはじめて有効となる。この二人は「虎の威を借る狐」だから、実のところどうして水戸黄門が偉いのか知らない。「でも、みんなが『偉い人』だと言っているから…」という同語反復によってしか主君の偉さを(自分にさえ)説明できない。・・・・印籠そのものには何の政治的効果もない。しかし、「助さん、格さん、その辺にしておきなさい」と言う命令に忠犬のように服従するありさまには感染力がある・・・・(本文153P)

日本人は、権力(というものに)対抗する(あるいは付き合う)上での方法論として上記術のような独特のシステム(合意形成法)を持っているのかもしれませんね。

皆さんも水戸黄門を視るときのご自分の心理状況を少し分析してみては!

今、沖縄普天間基地問題や民主党小沢一郎幹事長問題、事業仕分けなど、政治領域において様々な混乱が見られますが、不謹慎かもしれませんが、現代の水戸黄門さまのような方(虎の衣を借りる狐?)が現れるのかどうか興味があるところです。残念ながら、鳩山さんは??・・・・・。