言葉の重み

文化庁が行った、「2008年度国語世論調査」というものがあります。

この調査の中に下記のような設問があります。

 

  • 「言葉で表して伝えるか,察し合って心を通わせるか <問7>」

 人と付き合うときに、

 (1)互いの考えていることをできるだけ言葉に表して伝え合うこと

 (2)考えていることを全部は言わなくても,互いに察し合って心を通わせ 

    ること

のどちらを重視しますか?

 

この結果は、

 「言葉にして伝え合う」を選んだ人が38.3%と最も多いが,平成11年度と比較すると12ポイント減少している。一方,「互いに察し合って心を通わせる」を選んだ人が10ポイント増加し,33.6%であった。(文化庁結果より)

 

結果は、「互いに察しあう」が10年前より10ポイント増えていますが、この結果をどう見るかは、いろいろな考え方があると思われます。

人とのコミュニケーションを図るためには、言葉であれこれ説明しないで、相手の雰囲気やその時の状況などに気を配慮することこそが「日本語を大切にするということ」だという考え方もあるでしょう。

また他方では、グローバル化の状況のなかでは、言葉こそが情報発信力であり、

日本風の「俺の顔見ろ、何も言うな!」式だと、とてもこれからの時代やっていけない!という考え方もあると思います。

さて、皆さんはどちらでしょうか?

おまけに、言葉に関する最近のエピソードを2つ。

政治的スタンスは別として、評価が真っ二つに分かれましたね。

「素晴らしい演説だった」否「抽象的で具体性がない」・・・・

 

(新聞記者の「オバマ氏への授賞には「まだ実績がなく言葉だけだ」との批判も出たが・・」という問いに対して)

「言葉を過小評価してはいけない。言葉は時に危険だが、時に人に希望を与え、

その希望が物事を良い方向に変える。」

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政治家の発する言葉なので、いろいろ考え方もあるでしょうが、しかし、言葉とは本当に難しいですね。

ちなみに、ヤーグラン委員長は、こうも語っています。

「授賞を2、3年後に延ばせば手遅れになる。オバマ氏一人ですべての事ができるわけではない。世界のすべての人が助けなければならない。」

もし、ご意見等があればお聞かせください!(2009.11)