炭焼のこと

今年は、大型連休で10日連休と言う方もいらっしゃるようです。また、「連休どころではないよ!仕事で忙しい!」という方もいらっしゃることでしょう。

ガソリン国会や後期高齢者医療制度など、政治の世界もてんやわんやですが、政治家の方にも、政治主張の相違はともかく、一度、汗を流して「間伐」や「枝打ち」、「草刈」などを皆一緒にやれば、"ゲンバ"の声も身近に聞こえ、血の通った政治活動へ繋がるものと思いますが、如何でしょうか。

DAIGOエコロジー村は、そういう政治家の方の来訪を大歓迎します。

さて、今回は、「炭焼」のお話を少ししたいと思います。

私自身は、まだ「炭焼」というものに出会って3年しか経っていませんが、DAIGOエコロジー村の炭焼講師の先生方から、いろいろなお話を伺っていますが、とても印象的な話が一つありました。

 

・・・・・・以下おはなし

 

ある新米炭焼さんが、Aというベテラン炭焼師から「こうやれば誰よりも早く炭が焼けるぞ!」と教えられました。

その話をBというこれまたベテラン炭焼師に話したところ、「いやいや、こうやれば誰よりも大量に炭が焼けるぞ!」とまた教えられました。

そこにCというまたまたベテラン炭焼師があらわれ、「まてまて、こうやれば誰よりも立派な炭が焼けるぞ!」と言われました。新米炭焼さんは、「困ったもんだ!どうやればいいんだろう!!」

と悩みました・・・・。

 

これは、炭焼を始めると誰もが出くわす風景ですが、要は「早く(短時間)」「大量に」「品質の良い」炭を同時に焼くことは不可能ということと、炭焼には、いろいろな方々のいろいろな方法論と工夫があり、それぞれは決して「間違い」ではなく、また昔の炭焼さんはその焼き方のポイントとなるところは、実の息子にも伝授しないという、ことでした。

  • 人生も似たようなもので、「人よりも早く出世したい」「お金を一杯欲しい」「いい家に住みたい」・・・・などと欲は付き物ですが、「そうは問屋が(窯
  • が)下ろさないぞ!!」ということでしょうかね。

 

科学万能の時代と言われますが、この小さな土でできた窯の中では、人間がコントロールできない、すばらしいドラマが展開されているのかもしれませんね。

言い換えれば、「小宇宙」かもしれません。

火を見ながら、窯との対話を繰り返し、昔の炭焼さんは、山から山へと炭を焼いて歩いたのでしょうね。

 

現代の「炭焼ジャーニー」はどういう旅になるのでしょうか・・・・。(2008.5)