明治維新150年に思うこと①

今年は明治維新150年である。1年かけて継続できるかどうかわからないが、自分なりの維新観とその総括を行いたいと思う。今回はその第1回めだ。 “維新”の実態とは未だにわからず仕舞いでここまで来たわが日本である。私は鹿児島生まれで、幼少時からの薩摩教…

私の今年のテーマ

2018年新年あけましておめでとうございます。 人間にとって年が変わるとは、物理的には単なる天体の日常的変化の継続の一断面に過ぎませんが、心情的にはかなり段差或いは差異のある“できごと”です。そこには、意識するかしないかに関わらずある種の「存在論…

アリとキリギリスの話

正月最初にふさわしい話は無いかと、あれこれ考えていましたがなかなかこういう時は見つからないものです。書くこと自体を目的とすると余計な邪念が入って来るからでしょうか。先月「気分」と言う題で書きましたが、今月も新年を迎えながら余り気分が乗らな…

2018年新春伊豆別荘滞在記

新年2018年1月1日から3日まで、恒例の伊豆自然別荘にて滞在する。今回は炭焼仲間2名(大平、池上の各氏)も同行し、ちょっと賑やか且つ騒々しい滞在となった。ここに今回の旅日記を記すことにする。 <1月1日> 例によって、宿主の三森師匠は前日大晦日より…

二重取りの森林環境税の導入

現政府の増税施策の一環としての国税による「森林環境税」の導入が実現しそうです。導入予定は消費税増税の予定時期(平成31年)との競合を避けて平成32年度(※天皇交代により元号は変わる)をにらんでいるようです。政府が今頃になって急に「森林環境税」な…

<暴露と狂気と革命>

元事務次官に次いで強姦被害者が相次いで政権側に対して「暴露行為」を行った。「暴露」とは動物的行為でありそこには何らかの「快感」が存在することから、「理性」或いは「道徳」の側からは暴露行為を批判する根拠としている。しかし、この両者の暴露は他…

「成熟」していない子・安倍晋三、「崩壊」していない母・安倍洋子

江藤淳の『成熟と喪失』は戦後世代作家の作品に焦点を当てた文学長編評論だが、江藤にはある意味珍しく、私が思うに、素直な社会評論ともなっている。彼は、この中で、米国人と日本人の男を比較して、「母子家系」の日本、「父子家系」の米国と言う切り分け…

気分とは?

「気分が良い」とか「気分を害した」とか、私たちは日常的にこの「気分」というものに左右される生活を送っています。身体及び精神に関する医療科学が目を見張る進展を遂げた現在においても「気分とは何か」という問いの“正解”は出ていません。しかし、私た…

『平気でうそをつく人たち~虚偽と邪悪の心理学』(M.スコット.ペック1996年草思社)

今月号の会報トップの「今月の断章」においても平気でうそをつく話が出ていましたが、奇しくも私が今読んでいる本の内容とがっつりと噛んでいましたので、少しびっくりしたところですが、良く考えてみれば、今、「平気でうそをつく」社会というものを誰もが…

AI(人工知能)と人間社会

毎日のようにテレビや新聞、或いはネット上で「AI(エーアイ)」という言葉を聞かない日は無いくらいですね。囲碁やチェス、将棋などで「人間に勝った」などと言っているうちは可愛いものですが、私たちの仕事を奪い、そして私たち自身の人生までもコントロ…

パスカル『パンセ100』における”彼”とは!? 

パスカルの『パンセ』にこういう文章がある。ちょっと長いが読めば読むほど今を時めくあの人物の像と寸分違わないことに驚きと納得がある。ちょっと長いが紹介する。 「・・・・彼は偉大であろうとするが、自分が小さいのを見る。 幸福であろうとするが、自…

革命の内面起源~映画『エルネスト』鑑賞記~

今月号会報でも紹介していますが、8月の研究会「キューバ革命のチェ・ゲバラの写真展」の視察の折に、映画『エルネスト もう一人のゲバラ』の紹介があり、先日の上映公開に合せて早速鑑賞して来ました。映画では、ゲバラはあくまでも脇役で、主役はオダギリ…

【批判ではなく敵認識を持て!】

坂本龍一氏を批判するつもりはないが、「体制批判」の限界性を現実は示しているように思える。ヘイトスピーチにしろ、ネトウヨ或いは政権与党の議員の言動にしろ、その「低レベルさ」を「体制批判」側は責め立てるのだが、相手には全然響いていない。それは…

現実と理想と立場、そして言葉と行動

NHKBS1の「核なき世界へ ことばを探す サーロー節子」を視ました。サーロー節子さんは、先日の国連核兵器禁止条約締結へ向けて、自らの広島における被爆体験を語りながら、活動している一市民です。彼女は、カナダに在住で、カナダ各地の他アメリカなどでの…

救急搬送記

関わっているNPO活動の一環で行っている炭焼活動作業で怪我をして救急搬送され、丸二週間の入院生活を送りました。怪我は、除草中に自らの刈払い機(エンジン草刈機)で自らの足を切る、という悲惨ながらも無様な自損事故でした。原因はチップソーという丸鋸…

【地方自治の本旨】

都議選が始まる。現知事が政府与党を離党したとか、オリンピックへの国の関与とか、とかく我が国の政府と地方の関係は、戦後の一時期を除き中央集権体制ががっちりと維持されている。そのことを地方自治に携わる政治家、行政役人はおろか、住民さえも「当た…

中曽根語録にみる安倍政権とのイデオロギー闘争

先に少し長くなるが、中曽根康弘氏の著書『日本の総理学』(PHP)から引用する。 『 近頃の政治家が目先のいわば臨床的な措置しか語っていないように思えるのは私だけでしょうか。みななりたての新米医者のようなことを言う政治家ばかりで、病理学を熟知した…

グリーンエネルギー革命と社会変革

安倍政権の極右シフトが言葉狩りにまで影響を及ぼしそうなこの頃です。ところで「革命」という表現は様々な状況で使用される日常語的な表現ですが、意識的に曲解されて、無条件に血生臭いものだと考えたり、甚だしい暴力行為が行われる無秩序な社会状態が出…

余命1か月

さてこのような文章を書くことを当初ためらったのであるが、思うところあり書くことにする。 昨日の夜、真の兄弟のように付き合う従兄弟から電話があった。時々会っていることもあり、「また何か用でもできたのだろう」という軽い気持ちで応答した。しばらく…

現代社会の様相

少し政治的な話になります。多分誰もが、今の日本の状況について不安をお持ちでしょう。株価や円相場などの指標がいくら「高景気」を叫ぼうと実感としての「不景気感」は相当なものです。安倍首相は「国粋主義」を唱えながら、片方で米国への従属を世界に先…

当事者という意識

本号(会報4月号)の扉の「今月の断章 ワガコトとして(オイラーからラグランジュへ)」は非常に示唆に富んでいます。情報化社会の進展は、いつの間にか「思考する」ことから「選択する」ことに重点を置く社会となりました。それはシステムと言っても良いくら…

女猟師”狩りガール”

八王子恩方地域も通年のように「害獣駆除」が行われています。土日になれば猟銃を持ったハンターがアチコチに出没、時にはエコロジー村敷地内や三太郎小屋敷地内でもイノシシを追っています。農作物に被害をもたらすことで、農水省の発表によれば2015年度で…

玄関でしゃべらせろ!

「森友問題」を見ていると「言葉(言語)」の持つ“いい加減さ”が見えて来るのだが、逆に言えば、「言葉(言語)」とは相当に奥が深いものだ、という風にも感じられる。世界のあらゆる存在のうちで、「言葉(言語)」を使うことでその存在を支えているのは人…

正直ということ

森友問題における籠池泰典氏と、係ったと思われる政治家(或いは官僚)を比較すると「正直」という観念の実体が赤裸々に見えて来る。バイアスのかかった報道だけを通すと、籠池氏は「常識はずれのアナクロな人間」であり、森友問題とはそのような非常識な籠…

森友疑獄の裏で進む国土売渡しの謀議

安倍政権の根底を揺るがすような森友疑獄問題がクロースアップされている中で、3月7日に水道事業の民営化路線を進める「水道法改正案」が閣議決定されました。ほぼすべてのマスコミはこのことを報道していませんが、政府は国民の生命確保の基礎中の基礎であ…

チャーチルの寓話とエコロジー村

よく聞かれます。「何故、エコロジー村は皆さん仲良くそんなに長く続いているのですか?」という疑問。エコロジー村は開村(1996年)して20年過ぎました。確かに、メンバーの入れ替えはそれぞれの事情によりありますが、古い新しいに限らず、メンバー仲良く…

中小企業よ、連帯せよ!

世界の先進国における中小企業の割合は、日本99.7%、米国99.9%、EU99.8%、また総雇用者数に占める従業員の割合は、日本69.0%、米国57.9%、EU(独仏英平均)57.0%となっています。このように、世界的に見ても中小企業が占める指標割合は高いのですが、何…

【私考】革命情勢論からみたトランプ出現

トランプ出現に世界が右往左往し、軍事或いは経済という目の前の事柄に拘泥するかと思えば、片方では平和・民主主義という普遍的価値の一般観念にしがみつく抵抗運動が続いている。直近の世界史的出来事と言えば、75年前の第二次世界大戦、およそ30年前のソ…

「炭」という漢字と「灰」という漢字の違い

先日、八王子の小学校の「炭焼体験教室」を行いましたが、窯出し(出炭)で 何とほとんど炭が残っていずに、かろうじて形をとどめた”灰”寸前の”炭”が、ド ラム缶窯の底に横たわっている、という惨状でした!授業の冒頭に、炭の効能や 歴史、用途などを得意満…

【無機由来石油の存在とトランプ政権】

トランプ政権のティラーソン国務長官がなぜ指名されたか!については、対ロシア政策として様々な憶測が飛んでいるが、化石燃料枯渇説即ち「オイルピーク論」を覆す地球深度由来の石油である無機由来石油の存在があるという話には説得力があるように思える。…