オオカミ再導入と人間社会

先日、東京・日比谷にて日本オオカミ協会主催の「オオカミシンポジウム」に参加した。シンポジウムのテーマは日本では絶滅したオオカミを再導入(再び野生として放つ)することを目的としたものだが、日本よりいち早くこのテーマに取り組んでいるアメリカと…

タバコ

タバコの常習を止めてから20年以上は経つが、それでも時々はタバコを吸う。常習を止めたのは別に「健康を慮った」訳ではなくただ何となくいつのまにかそうなったが、時折無性に吸いたくなる時がある。体が求めるというより、気分が求めるという感じだろうか…

自己本位からの脱却

昨今、時々いろいろな方から「日本が戦争に向かっている」「憲法9条を守らないといけない」という問いかけを頂きます。炭焼きをしながら、このような穏やかな気持ちで自然とともに至福の時間が過ごせるのもある意味では「平和」であるからだと思われます。炭…

美智子皇后と養蚕と女性

美智子皇后が特別に養蚕に対する意識が高いことは各種皇室関連報道からも結構知られている。背景の説明には、奈良時代より伝わる純日本産蚕の品種である「小石丸」の生産の絶滅を危惧したことと、昭憲皇太后(明治天皇妃)貞明皇后(大正天皇妃)、香淳皇后…

「安倍晋三語録ナショナリズム」批判 ~著書「美しい国へ」語録から~

その①【移民チームでW杯に優勝したフランス】 ≪安倍晋三氏曰く≫『スポーツに託して、自らの帰属する国家やアイデンティティを確認する・・・<中略>・・・フランスは、第二次世界大戦のあと、労働力が不足して大量の移民を受け入れた。だがその後ナショナ…

キューバとアメリカ国交正常化の裏側

ここの所、アメリカとキューバの国交正常化についての報道が賑わっている。日本を含め西側メディアは、「キューバ現体制が望むのは経済制裁解除であり、キューバ市場が開かれればキューバ国民の経済困窮解消につながる」という論調により「困っているキュー…

京都大学の変質

「グローバル人材」とか「リーダーシップ」とかビジネス界では好まれて使われる言葉が教育現場にもヅカヅカと入って来ている。先週末のNHK ETV特集『”グローバル人材”を育成せよ~京都大学・改革への挑戦~』を見て複雑な思いと言うか、「ここまで産学協働路…

漂白民と炭焼人

歴史学者の網野善彦氏は『日本とは何か』という著書において、もともと「日 本」或いは「日本人」という一つの概念(或いは文化)に集約できる存在は「い ない」という持論を呈しています。 論点の元になるのは、日本列島という地理的条件を背景にいわゆる農…

復興とはなにか

・3.11から4年目を迎える。現実は持続しているが、メディアでは「節目」という言葉で状況の断片化を図っている。 ・私自身はいまだに3.11に対して向き合えていない。多くの人から、「一度現地へ行け」といわれた。 ・確かにボランティアで現地へ行き、なにが…

炭焼三昧と仏

例えば炭焼に興じることを「炭焼三昧(すみやきざんまい)」と言ったりしま す。他にも「読書三昧」「釣三昧」など、とにかくあることに夢中になることを 「~三昧」と言いますが、この「三昧」は「ざんまい」ではなく「さんまい」と 発音する立派な仏教用語…

内省の時代

「世も末」と言う言葉が最も似合う時代の様相を示して来ている。3.11を境に社会の様々な矛盾が矛盾としてではなくまさに実相として表出してきた。人々は訳のわからない状況に投げ込まれる中で自らを取り戻そうとしてある者は必死に抵抗を試みある者は社会に…

IMF”死神”副総裁の警告

IMFのデビッド・リプトン副総裁は別称死神と言われている。かつて韓国がIMFの 救済金融計画を受けた際にその指揮を執ったのがリプトンで、その辛辣さに韓国 の経済官僚の間で彼はそう呼ばれた。その彼が、今月4日に韓国ソウル大学金融 経済研究院の主催で開…

安倍晋三 血筋教育

安倍晋三は「大きな子ども」なのだろう。どういう育ち方をしたかをみれば一目瞭然の性格と思われる。本人の資質に関係なく、血筋の教育をされたのは想像に難くない。教育の基本は、「己を知ること」「己を活かすこと」であるが、彼の場合は己が岸家だったの…

【独断と偏見①】 医者と医術  『エミール』(JJルソー)より

前回のブログで「独断と偏見を大事にせよ」と書いた。書いたからには私自身の独断と偏見を明らかにしないと言行不一致になる。と言う訳で【独断と偏見】シリーズとして時折記載することにした。本来ならブログでも書いた通り”真の自己”に突き当たってから始…

独断と偏見を大事にせよ

どんな集まりにおいてもある発言に対して「それは独断と偏見だ!」と言われる場合が多々ある。その時、その発言当事者は反論するにせよ或いは沈黙するにせよ投げかけられた「独断と偏見」という言葉の裏の意味でもある「正当な公共性」という概念に無意識に…

価値判断の基準

年明け早々からフランスにおけるテロ、或いはマクドナルドの異物混入など、 「年末年始くらいは穏やかに、、」という我々の願いにも関わらず世界の現実は 不安定さを増して来ています。毎日が「不安(な気分)」に捉われている人も結 構多いでしょう。世の中…

【競争の論理の貫徹】

NHKクローズアップ現代「地方から日本を変える①」を視聴。2つの事例とも、貫徹しているのは「競争の論理」と「すべてカネ」であった。地方創生法絡みの企画と思えるが、「このままでは地域が消滅する」と煽り、「人口増」だの「集客増」などを主目的とする…

首相スピーチの問題点の重要さ

余り話題にはならなかったが、昨年10月19日、安倍首相が「国際法曹協会東京大会年次総会」で行ったスピーチについて面白い指摘があった。指摘したのは、21世紀中国総研の矢吹晋氏(横浜市立大学名誉教授)だ。矢吹氏は相互に関連する2つの問題点を挙げている…

陰陽五行思想

さて、正月なのでおみくじでも買って運勢を占おうという人は結構いらっしゃるでしょう。昔から良く言われる言葉に「当たるも八卦当たらぬも八卦」という表現があります。普通は、「占いの一種か」くらいにしか思わないのでこのような表現になるのかもしれま…

なかなか面白い「ビックコミック」

漫画家の浦沢直樹が「読者がお金を払わなければ、「あるべき関係性」が結べない」と話していたが、彼の発言の意図とは違うかもしれないが、「お金を払う」行為は「対価」ではなく購入側(読み手)の「覚悟」だと私は思う。その「覚悟」を創刊号以来ずっと続…

ブル新

かつて60年、70年代の闘争時に「ブル新」という言葉があった。「ブルジョア新聞」の略であるが、そもそも、基本的に利益追求の資本の論理で事業展開する大新聞に対する揶揄と、闘争する側の基本認識としての大新聞に対する批判的姿勢の表現でもある。当時の…

不思議な夢 臨死体験

昨夜の夢はとても不思議だった。いわゆる「体外(幽体)離脱」というものだったように思える。夢の中で私は車を運転していたのだが、途中でブレーキが効かなくなり必死にブレーキを踏むもそこは下り坂。スピードは益々上がり、その先のカーブ(確か左カーブ…

官僚制支配

我が国が「官僚支配制国家」と呼ばれることについては、政治的立場の違いを超 えて共通の認識でしょう。その滑稽な特徴が図らずもCOP20が開催されたペ ルー・リマにおける日本政府代表団の部屋割りに見られました。毎日新聞はこれ を「日本は縦割り 省庁別、…

アムウェイのこと

今から20年近い前になろうか、仕事で知り合った水産庁の役人から「ホームパーティ」の誘いを受けた。正確に言えば、彼が拙宅に来て一緒に食事を作りながら「お話しましょう!」という企画だった。これを断る理由もなくむしろ営業の一環と考えて快諾した。当…

数値化の問題点

気象庁が東京都心の観測ポイントを30年ぶりに変更しましたが、そのことにより都心の年間平均気温が一℃以上下がり、また冬日も相当増えるとの報道がありました。となると、近年気温の上昇による異常気象はすべて「地球温暖化」という説明がなされて来ましたが…

『討論 三島由紀夫 VS 東大全共闘』 ≪美と共同体と東大闘争≫

古本をネットで思いついた時に買うことが最近頓に“趣味化”してしまった気配がある。ネット古本サイトは結構至便且つ使い勝手が良い。本の体裁状況や価格も書店別に比較できる。気づいたら、書店へ足を運ばなくなって随分久しい。時々は新刊をアマゾンでも購…

賀川豊彦の「宇宙の思想」

神戸生協の創始者の一人でもある賀川豊彦の人生は波乱に富んでいる。 自らの生い立ちも関係しているのだろうが、それは徹底した弱者の側へ立つ信念とその弱者を産む社会悪との闘いでもあった。 かれの信念が言葉だけのものではなく体を張ったものであったこ…

// 投稿 by 川口 武文.

// 投稿 by 川口 武文.

美智子皇后誕生日発言に思う

★記者質問:「戦争を知らない世代が増えているなかで,来年戦後70年を迎えることについて今のお気持ちをお聞かせ下さい。」 ★美智子皇后:「私は,今も終戦後のある日,ラジオを通し,A級戦犯に対する判決の言い渡しを聞いた時の強い恐怖を忘れることが出来…

オオカミ伝説と御岳山

先月噴火した御嶽山(おんたけやま)とよく似た名称の山が奥多摩にある御岳山 (みたけさん)です。ちなみにこの山の麓にあたる多摩川河川にはエコロジー村 で製作した炭窯(ドラム缶)もあります。それはさておき、今年の8月に御岳山 への観光客が減少して…

劇団民藝『コラボレーション』

劇団民藝の戯曲『コラボレーション』を鑑賞した。 ドイツの作曲家R・シュトラウスとS・ツヴァイクとの友情をベースにナチズムへの批判を、政治と芸術という双方の立場から描いたものだ。 戯曲は活字を立体的に表現したものなのでやはり脚本・演出と俳優の力…

三島由紀夫『文化防衛論』再読、雑考

三島由紀夫の『文化防衛論』を再読した。初めて読んだのは高3の三島自決1年前だから、45年振りの読み返しとなる。本書を読んだわずか1年後に三島があのようなことを”起す”とは思いも知らず、当時左翼少年だった私は当然ではあるが知的レベルは三島より…

輿論(よろん)と世論(せろん)

『もともと「世論」というのは、世間にある雰囲気という意味でした。理性的に議論されて作られる意見は「輿論(よろん)」といった。公的な責任ある言論を指し、両者は戦前まである程度は使い分けられていた。それが戦後、当用漢字から「輿」の字が外され、…

科学不信の碑

御嶽山の噴火による被害は戦後の火山災害では最大の犠牲者を出すこととなった。まずは被害者への哀悼の意を表したい。 私は世界でも最大級の火山の一つである桜島を対岸わずか4kmの距離に眺める鹿児島市で生まれ育った。ものごころついた時から、火山降灰…

中央の危機と周辺、その構造暴力的支配への闘い

スコットランド独立は住民投票の結果否決された。 この住民投票の動向に示したイギリス政府の狼狽は見ていて「溺れる者わらをもつかむ」という表現がぴったりであった。 首相のキャメロンはこのように言った。 「わたしのことが嫌いでも、わたしは永遠に首相…

リサイクルの現場のもう一つの現実

時々リサイクル業を営む友人の手伝いをしています。 これまで、客観的な 立場からリサイクル業界を眺め、また仕事柄調査分析なども行って来ましたが、直接現場サイ ドに立ったのは初めての経験です。 やはり現場に立たないと見えないものがいろいろあること…

柳田國男の『炭焼日記』

民俗学者の柳田國男の『炭焼日記』は昭和19年1月1日から昭和20年12月31日まで の終戦直前直後の最も厳しい時期の日記です。 題名からもわかるように柳田は、 終戦直前の食べ物にも困る状況の中で当然燃料の薪炭にも困窮することから、自 宅で炭焼を見よう見…

【人間のモノ化】

科学の進歩発展が人間に幸福をもたらすと考えられたのは19世紀から20世紀にかけての時代だと思われるが、確かに人間は、少なくとも先進国においては快適な生活が実現され、また月へもロケットを飛ばした。 科学技術への信仰を背景に、資本主義陣営と共産主義…

細川護煕氏の反省にとりあえず納得

細川護煕氏がある媒体インタビューで述べています。 彼曰く、 「私を含め、小泉さん、歴代総理にしても、とにかく原発で作る電気は安くて安 全だということを言われ、騙されてきた。それで、58基も建ててしまった。その ような不名誉を、私自身も恥じなけれ…

言葉を武器にする

田中 希生という若手の論客がいる。 たまたまあるテーマの検索を行っている時に知った方だが、彼の「政治と文学、国家の安全保障」という小論文の中の「兵器と武器は違う」「今こそ言葉を武器にすべき」という表現に出会い、今までなかなか解答を得ることが…

モトクロスに呆けた遅い”中年時代”の思いで

TVが「鈴鹿8耐」をやっていた。オートバイ好きならだれでも知っている夏の風物詩にもなっているオートバイレースだ。ちょうどコーナーで転倒しているシーンが出たところだった。オートバイの転倒は必ずと言っていいほどマシンとともに転がり、マシンに体を巻…

経団連政治献金議論浮上 もう一つの独占

政治権力の”一方的”独占がその国の国民にとってもっとも「安全」への必然的脅威となるのは歴史が証明している。 ”一方的”独占は必ず権力乱用につながる。この”一方的”独占には二つのタイプがある。 一つはヒットラーナチズムやスターリン主義のような「公然…

科学と科学主義の違い

故郷鹿児島の高校の先輩でもある哲学者の山崎行太郎氏が「小保方問題」につい てユニークな、しかしある意味本質的な議論を継続している。 氏曰く「小保方事 件、STAP細胞事件は科学研究レベルの事件にとどまらず。現代日本の思想的劣化 という思想問題であ…

『平和の論理と戦争の論理』(久野収)

前回、本ノートで、米国の『鉄の山の報告』について述べたが、この戦争を肯定する側の論理に対する平和を希求する側の論理が余りにも稀薄であると評した。しかし、あの手この手を使いながら戦争状態を構築していく状況は日々に顕在化してきている。私自身も…

『鉄の山の報告』

昨年9月25日、安倍晋三が米国の有力保守系シンクタンクであるハドソン研究所から、同研究所の創設者故ハーマン・カーンの名を冠した「ハーマン・カーン賞」を受賞した。ウォールストリートジャーナル紙は、「同賞は、保守的な立場から国家安全保障に貢献した…

ルソーは友達

ルソーの『告白』第1部を読んだ。 ルソーとはあの「社会契約論」のジャン・ジャック・ルソーである。 それまで教科書的知識しかなかったルソーに対する興味が愕然とわいたのは、古書店でたった50円で買ったルソーの『人間不平等起源論』を読んだからである…

「洋物」への感謝

戦後生まれだから仕方がない面もあるかもしれないが、いわゆる我が国の戦後精 神は敗戦という環境もあり、「洋物」の論理が世を席巻してしまった。そのよう な思考風土の中で育ったわけで、確かに「洋物」の論理には切れ味と深さがあ り、加えてカルチャー的…

銘仙と世界遺産

先日、富岡製糸工場が世界文化遺産登録が内定したというニュースはまだ真新し い。いつも話していることだが、上州(富岡)-八王子-横浜、或いは信州-八王 子-横浜、というルートは通称『絹の道』と呼ばれ、明治前期の日本の生糸産業 の屋台骨でもあった。今…

小保方論文問題のもう一つの見方

小保方論文問題は少し距離を置いてみると、「科学」の、現代と言う歴史におけ る価値観がどのようなものかが少し見えてきます。理研&マスコミの論調は、小 保方氏の”反論”に対して「研究開発の倫理性」という枠で「再現性」や「中立 性」或いは「客観性」な…